春の養生
春は冬に溜め込んだエネルギーを一気に爆発させる、生命の芽吹きの季節。春分を迎えると、陽にエネルギーが傾いていきます。春は「肝」の気が高まるとき、気が盛んになりすぎると、血圧上昇、めまい、目の充血などが起きやすくなります。精神状態にも大きな影響を与えるので、自律神経のバランスが乱れると不眠にもつながります。肝を補養することを心がけましょう!
肝臓は解毒の臓器、体に入ってきた毒素を解毒してくれます。デトックス中には肝臓を労わることが重要です。添加物やアルコールなど、肝臓を働かせるものは避けると良いでしょう。
肝臓でせっかく解毒できても、胃腸の働きや巡りが悪いと排出してくれません。合わせて胃腸に良いもの、巡りが良くなる食事やハーブを取り入れていきましょう。
陰陽五行説における「肝」
二十四節気の「啓蟄」は土の中で縮こまっていた虫(蟄)が穴を開いて(啓いて)動き出す日のこと。虫がめざめ、動きだす時です。私たちの身体も冬にためていたものがムクムクと起き出すと考えます。
肌にニキビや小さな湿疹、蕁麻疹、目が充血してのぼせる、イライラしやすいなどが特徴的な症状、花粉症も相まって体に反応が出やすい時期です。解毒を担う五臓の「肝」を助けてデトックスをしましょう。解毒を担う「肝」は青々とした緑色を好みますので、春菊や小松菜、ほうれん草など新鮮な葉野菜を。
菜の花や少し苦味のある葉物野菜を一品追加することを心がけてください。
また「肝」のはたらきが低下して気の疎泄作用(気の巡りをよくする作用)が阻害されると、 「脾」の働きも低下して、食欲を落とすことがあります。「甘み」は五臓の「脾」を助けて元気を補うため、デトックスを進めるために合わせて取り入れましょう。
<肝を助ける食材>
春菊、小松菜、ほうれん草、菜の花、山菜など
<脾を助ける食材>
大豆・かぼちゃ・人参・山芋・なつめなど
ハーブティーでデトックス
食事での養生と一緒に取り入れていただきたいのがハーブでのデトックス。1日かけて、ちょこちょこと摂取すると良いでしょう。デトックス中は肝臓を使うので労わりながら、巡りをよくするように心がけて下さいね。
肝臓ブレンド ハーブレシピ
ミルクシスル
ミルクシスルは、肝臓の機能をサポートするハーブ。特に、肝臓機能が低下している場合や、アルコールや薬物の過剰摂取によって肝臓が負担を受けている場合に効果が期待されます。葉の白い模様が、ミルクがこぼれたように見えるため milk thistle(thistle=アザミ)と呼ばれ、 聖母マリアの母乳が葉の上にこぼれたことがから白い模様になったという説があります。
エキナセア
エキナセアは、免疫力を高める効果が期待されるハーブの一種です。風邪やインフルエンザなどの感染症予防や、アレルギーや喘息などの炎症症状の緩和に効果があります。
ローズマリー
ローズマリーは、消化不良を防ぎ、代謝を高めてくれる働きがあります。肝の昂りを沈め、気の巡りをよくします。
ペパーミント
ペパーミントは、消化促進や鎮痛作用が期待されるハーブです。ストレスの緩和、呼吸器のトラブルなどにも効果があります。ローズマリーと同様に胃腸を整え、気の巡りをサポートします。
循環ブレンド ハーブレシピ
レッドルイボス
レッドルイボスには、カルシウムや鉄分、マグネシウム、ポリフェノールなどが含まれています。また、不眠症や不安感を和らげる効果があるとされ、ストレスが多い現代社会で活躍するハーブの一つです。
最近はコンビニでの手軽に買えるようになりましたね。
ジンジャー
温めハーブの代表格。ジンジャーは、免疫力を高める作用があり、身体を温める効果があるとされています。また、消化を促進する効果もあるため、健康的な生活に欠かせないハーブの一つです。
なつめ
なつめは、体を温める漢方としても有名です。カリウムや鉄が豊富に含まれています。世界三大美女の楊貴妃が好んで食べたというなつめ。「1日3個のナツメを食べれば歳をとっても老いが現れない」という諺もあり美容と健康の食材として古くから愛されています。
リコリス
リコリスには、甘い香りがあり、糖分と類似した成分が含まれています。また、免疫力を高める効果があるとされ、不安感を抑える作用もあると言われています。
まとめ
春の養生とハーブについてご紹介しました。食事とハーブティーを楽しく取り入れながら、デトックス期間を過ごしていただけたらと思います。二十四節気に合わせたハーブでの養生はこちらの書籍にまとめました。詳しくご覧になりたい方は是非ご覧ください。Kindle Unlimitedは無料公開中です。
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